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2022/08/02

【地域活動の原則は、「たくさん出せる人はたくさん、少ししか出せないと思う人も出来ることをコツコツと少しづつ」(大手航空会社役員の講演より)】

【地域活動は、「たくさん出せる人はたくさん、少ししか出せないと思う人も出来ることコツコツと少しづつ」が原則(地域活動豆知識)】
 地域活動に関わる皆さんは、一部、報酬のある団体もありますが、ほとんどの活動は無償奉仕もしくは無償の業務です。リタイア後に活動している方もいれば、会社に勤めている人、商売を営んでいる人、子育て中の主婦もいれば学生もいます。ですから、所属するメンバーが同じ時間に同じ場所で同じような活動をすることはそもそも不可能です。
 定例会の日時が自身の事業の営業日時であったり、勤め先の勤務時間と重なってしまうのであれば、定例会に出席できません。定例会に出席することが義務であるならば、その人はその団体で活動することができません。活動するために必要な情報が定例会に参加することでしか得られないのならば、その会議の場に参加することができない障害者もその団体で活動することができません。つまり、、定例会に出席することですら義務とすることができないのです。
 ではどうしらたいいのか。法律や規則などで義務や服務の規定※1)がない限りは、すべてにおいて本人の裁量で活動していただく以外方法はありません。
※1 民生児童委員消防団員スポーツ推進委員は、非常勤特別職の公務員であるため、服務に関しての規程があります。)

 そうなると、地域活動を行うひとりひとりの役割、活動への関わる時間も関わり方も皆違ってきます。したがって、地域活動においては、「たくさん出せるひとはたくさん思い存分活動していただき。少ししか出せないと思っている人でもできることをコツコツとすこしづつ活動していただく。」ことが必要です。会議に出なくてもいい、実行委員会に出なくてもいい、当日は来なくてもいい、あるいは、当日だけでもいい、そういったことも当然、全員で理解し受け入れなくてはなりません。

 大切なことは、「全員が地域コミュニティの意義、イベントや行事の目的、誰のため何のためにやっているのかということを理解し、同じ方向を見ていただき、そのために自身は何ができるのかを考えて、自分が納得できる行動で貢献する。」ということです。それは、詰まるところ「様々なタイプの人、異質なものを認め合うこと」でもあり、組織としては、「誰も排除されない組織」「争いが生まれない組織」であるともいえます。

 「少ししか出せないと思っている人でもできることをコツコツとすこしづつ活動する」とは、誤解してはいけないのは、「やりたくないならやらなくていい」「反対ならば他のメンバーを無視していい」ということではありません。地域活動の方針に共感できなのであれば、そもそも当人が地域活動をしても貢献できることはあまりないでしょう。
 故に、ビジョン、ポリシーは大変重要なもの。ですから、リーダーとは、まさにビジョン、ポリシーを共有してもらうがために存在すると言っても過言ではありません。そして、「少ししか出せないと思うひと」の「少し」とは、量的、質的に、あるいは、貢献度が「少し」であるということではありません。会議に出ることができない、イベント当日はどうしても参加できないので、本人は「少し」だと思っているかもしれませんが、イベント当日は休む間もなく動き続けてくださる方がいます。場を盛り上げてくれる人がいます。あるいは、イベント当日は営業日で参加できなくても、必要な事務作業をしてくださる方がいます。コツコツと人脈を使って協力者となってくれそうな方へ和を広げてくれる方がいます。本人すらその多大な貢献度を意識されていないこともよくありますが、ビジョンさえ共有されていれば、多かれ少なかれ、間違いなく地域に貢献されています。

 2008年ある大手航空会社の人事担当役員の講演で、冒頭に「社員に対してはたくさん出せる人はたくさん、少ししか出せない人は少しづつ」と切り出されました。「え!そんなバカな」と思わず心のなかで呟いていました。やはり、ビジネスの世界ではそんな悠長なことを言っていられないのではないかという思いもありましたが、その心は「現場の社員がお客様に対して最高のサービスを提供していただくためには、すべての社員の声に耳を傾け、社員の置かれている状況に配慮し、社員を一番大切にすること」でした。
 職業をもってからの人生には様々な節目があります。新人期、キャリア創成期、結婚、子供の誕生、昇任、子育て、子供の入学や卒業、子供の親離れ、親の介護。そんな特別なことでなくても、体をこわしてしまったり体調が優れなくなってしまったり、気持ちが沈みがちだったり。その反対に働くことが楽しくて、仕事したくてしたくてたまらない人だっています。お金を貯めたいからバリバリ仕事したいという人だっています。なんとしても目標を達成したい、達成感を味わいたいと思っている人だっています。いくらでも時間がある人、子供を迎えにいかなくてはならない人、社員ひとりひとりに様々な事情があります。
 大切なことは、会社の理念、事業の目的、方針、そして、お客様の利益とは何かを全員が理解したうえで、各人が自らの部署で何ができるかを自ら考え、自ら行動すること。
 このことが真実だと納得した事件がありました。2010年、この航空会社のライバルでもあり、誰もが知る日本の航空会社は、戦後最大の負債額を抱えて破産しました。一方で、こちらの会社は国内線を主力としつつも、コツコツと国際線の新規路線を開拓して地道に収益を上げていました。(文責:事務局)

<2022年5月追記>
 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大したことで、自身の持病、高齢家族との同居、学校からの指導、会社・所属する団体のコロナに対応するルール、事業におけるお客様の事情など、地域活動に関わる皆さんには様々な事情があって、自身の思うように活動できなことがあります。また、そういった事情を明らかにできない事情も各々あります。ですから、自治会・町内会、地域活動団体、地域の協議会、委員会のメンバーであって、自らの団体の事業、主催するイベントであっても、活動を強要するようなことがあってはなりません。故に、コロナ禍における地域活動は、関係者全員が「有志」なのです。
 完治したと思っていた持病が、コロナウイルス感染で再発してしまうことがあります。責任感の強い人ほど、自身の心の状態を他の人に話すことができなくなってしまいます。後遺症は、若い方ほど強い症状が出るとも言われています。感染したのは昨年なのに、今現在も思うように動けない人がいます。ですが、感染したことも、後遺症があることも他人には話すことができない事情すらある場合もあります。いつの日か「実はね・・」と笑って話すことができる日まで、絶対に、「強要」があってはなりません。(文責:新羽地区健民祭実行委員長)

<2022年6月追記>
第49回新羽地区健民祭の実施組織について(町会長会議で確認されました。)
2 方向性
⑶ 感染状況が完全に終息していない中での準備となることから、会社や所属団体から日常生活において様々な制限の指示がある方、感染したことで不利益を被ってしまう立場にある方、高齢家族の同居や自身の持病などの事情で活動に関われない方への配慮が必要です。よって、これまでのような大所帯の組織ではなく、地域活動にご協力いただける「有志」の皆さんによる少人数の組織で、有志スタッフの意向、アイデア最優先で内容を検討し準備を進め、少ない人員でできる規模、少ないスタッフで実施可能なイベントということで今年度は実施せざるを得ません。(文責:新羽地区健民祭実行委員長)
地域活動豆知識に戻る⇒https://nippacho.com/knowledge.html


<参考>
元新羽町連合町内会長のお話
航空会社大手人事担当役員の講演
2022/08/02追記(町会長会議資料抜粋)
2022/06/25追記(町会長会議での発言)
2019/06/15追記
2013/8/27初版

(文責:事務局 小松)
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